「ナダ」というメキシコのインテリア雑貨のお店を経営していてよく聞かれるのが、「どいういう意味?」というご質問です。そして、それに答えると「なんで?」という質問も矢継ぎ早に頂きます。

そこで今回は、ナダというお店の由来をお伝えいたします。

スペイン語を勉強したことのある人は、当然知っていると思いますが、nadaとは、「無」を意味します。英語で言うと「nothing」ですね。で、どうして「無」だなんて変な名前をつけたのかを言うと、3つの理由があります。

スポンサーリンク

①ヘミングウェイの作品より:

ひとつに私はヘミングウェイという作家が好きでした。アメリカ人の作家でノーベル賞も受賞しています。アメリカ人でありながら、キューバに半生を注ぎ創作活動をしていました。スペイン語圏のキューバを第二の故郷として活動していたので当然、ラテンアメリカにも影響を与えたこと思います。

彼の短編で『clean well lighted place』という作品がございます。ある一人の事情を持った男が、バーで注文をするとき、「nada」と答えるのです。バーテンは、「狂った酔っ払い」と一蹴するのですが、男はこの「nada」という言葉を反芻し長年思っていた心の内を
解き明かそうとするのです。

下記が、作品の「nada」を頼んでからの一節です。少し引用しますね。

『 clean well lighted place』(邦題:清潔で明るい場所)ー引用ー
Some lived init and never felt it but he knew it all was nada y pues nada y naday pues nada. Our nada who art in nada, nada be thy name thy kingdom nada thy will be nada in nada as it is in nada. Give usthis nada our daily nada and nada us our nada as we nada our nadas and nada us not into nada but deliver us from nada; pues nada. Hail nothing full of nothing, nothing is with thee. He smiled and stood before a bar with a shining steam pressure coffee machine. “Whats yours?” asked the barman.

Nada

“Otro loco mas,” said the barman and turned away.

とても印象に残る一幕で、このnadaという言葉には様々な意味が込められているのだと思っています。

『Clean well lighedt place』本文より

スポンサーリンク

②チェ・ゲバラの演説で:

キューバ(アルゼンチン人)の革命家、チェ・ゲバラ1964年の国連の演説でアメリカを痛切に批判したことは有名です。その演説の中で、強く「nada」と語っていました。ちょうど、ニカラグアの代表がチェ・ゲバラをバカにしたことに対してアイロニーを込めて反論しつつ、だんだんと革命や愛国心について熱い発言をします。そして、次のように発します。

ゲバラは、「もしラテンアメリカの高貴な人たちの気に障らないなら私はこう言おう」と
続け、
「sin pedirle nada a nadie,
sin exigir nada,
sin explotar a nadie

と、nadaという言葉に力を込めて、「何も求めることなく、命をささげる覚悟がある」

と言ったことは全世界の人々に衝撃を与えました。

③nada(無い)を想像することでかえって豊かな空間ができる:

今の現代社会で『無いものってなんでしょうか?』といつも思っていました。おそらく無いものは無いのでは無いか!

そのような矛盾を考えて、私は、皆さんの頭の中で、何も無い部屋を想像してほしいと思っています。何故なら、ものがあふれた現代社会、「無い」を想像することで反対に思い描いた空間がより鮮明に思い浮かび上がってくると思っているからです。空っぽの部屋には何を置きたいですか? テレビでしょうか? ベッドでしょうか? カーテン? それとも絨毯? そのように考えると、なんだかワクワクするような気がします。

最後に:

っと、どうせメキシコ雑貨をやるなら、好きな中南米のカルチャーや偉人達をモチーフにネーミングをつけたいと思って、「nada(ナダ)」という名前をつけました。だいぶ、ひとりよがりの点がありますが、どうかみなさんと一緒に今後もメキシコを中心とした中南米のカルチャーやインテリア、雑貨を楽しめれば幸いです。

このブログも初めて4か月が経とうとして、新たな年を迎えつつあります。いつも読んでくれている読者様には原点をお伝えしていくことと共に、情報共有をできればと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

では、グラッシャス。de nada

※de nada(デ・ナダ)どういたしましての意味。

スポンサーリンク