水木しげるの『幸福になるメキシコ』の表紙

こんにちは。ナダの山口です。今日は、妖怪漫画家、水木しげるさんの

『幸福になるメキシコ』をご紹介しますね。

ところで、みなさん、「悩みなく、朗らかに暮らしたい!」

多くの人はそんな生き方を望むのではないでしょうか。
メキシコは世界で最も自殺率の低い国の一つです。ほとんどの人たちが金銭的には豊かとは言えない生活を送っていますが、何故か幸せそうに生きています。と~っても朗らかで、はたから見ていると悩みのなさそうな
生き方をしているのは何故でしょう?

水木しげるさんは、多くの国に訪れていますが
特にメキシコの朗らかな民族性や多様性に惹かれその文化やユニークな雑貨を紹介しています。そんな、水木しげるさんが、メキシコに学んだ幸福になるための生き方を紹介した本が本書なのです。

 

この本は、約2週間のメキシコ旅行で特に先住民の多くいる地域を訪れて土着文化を取材したり、メキシコで受けたインスピレーションをそのまま書き下ろしのまんがにしたり、水木しげる流にメキシコを解釈したとっても楽しげになる本です。

「目に見えないものをどう表現したか。今回の旅のテーマです」
とのこと。
どんな、楽しい旅がまっているのでしょうか?

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水木しげると死者の日

この本によれば、水木しげる一行は、1997年の10月末から11月初旬にかけて約2週間に渡っての旅行だったようです。御年75歳。精力的に飛び回っております。

この時期(10月30日から31日)は、ちょうど、メキシコ全土で「死者の日」という盛大なお祭りが開催されます。死者の魂に祈りを捧げる為、町中が骸骨グッズとオレンジ色のマリーゴールドの花で彩られる賑やかな時なんです。

メキシコと言えば、骸骨グッズがとても身近な存在です。様々な素材で表情豊かな骸骨の雑貨が町や家の中に溢れかえっています。

現に、水木しげるは、オアハカの死者の日の風景に
「ここでは死が怖くないんですね。アジアやヨーロッパにあるものとはぜんぜん違う。宇宙人ですね。色彩の感覚といい、このほがらかさといい、実にいいです」
とコメントしています。

死という目に見えないものを、明るく楽しげにお祝いしている光景にとても感動します。

冒頭のテーマである、「目に見えないもの」をこのように表現していたと、水木さんは悟ったのでしょう。考えてみれば、水木さんも、”妖怪”という目に見えないものを漫画という形で表現している、メキシコ人的な考えを持っているのかもしれませんね。

 

水木しげると民芸品

水木しげる一行は、木彫りのお面やおもちゃを探し、先住民の村でお面やら木彫りのおもちゃやらを大量に購入します。

悪魔と天使が入り混じった可笑しなお面や、虫を顔に付けた仮面など、おどろおどろしいけど、間の抜けた感じが、なんとも朗らかになると感動しています。

おもちゃも、気の遠くなるような細かい絵付けと、日本人では想像も出来ないような動物や虫を彫刻した木彫りのおもちゃに水木さんはとても感銘を受けたようです。
「私は、この奇妙な色彩のおもちゃを見て驚いた。
ひとつの型のサソリでも、こんなに色彩豊かに作ることが出来る。
こんなに形良く、美しく作ることが出来るなんて世界中にない」。

今、世界中のコレクターからも注目されている、アレブリヘ(本文中ではアレブリッヒェと初回している)
いわゆる、オアハカのウッドカービングを見て、失神するまでに気に入った!と言っていました。

水木しげるのど肝を抜いたウッドカービング(木を削って染料で細かく絵付けしていく)

メキシコは形のないものを形にする。ある意味水木さんの祖先だったのかもしれませんね。骸骨を楽しんだり、架空の動物を崇めたり、確かに
日本ではふつーには、見ることのできない雑貨が多いです。

目に見えないモノを大事にする。だから、仮面や骸骨を作り、
心の中を表現しているんです。これは、心や気持ちを大事にすることでもあり、結果、人にも優しくなるんでしょうね。

水木しげるとのんびりメキシコ時間

とにかく、メキシコはゆったりとした時間が流れています。何か、日本とは違う時間の流れ方。アジアともヨーロッパとも違う。ましてや、お隣の国、アメリカとは全く違う、時間の流れ方。
オアハカを後にする水木さんは、
「それにしてものんびりした所ですね。日本人の場合は、忙しく働いて、忙しく解放される。インディオの体内時計は、日本人と違った時間の流れ方をしているのが理由と突き止める。我々日本人は、体内時計以上のことを要求されるから、せかせかしてしまうのです」。

とうらやましがっています。

また、水木さんは、オアハカでホットケーキの美味しさに感動しています。

毎朝食後、お皿より大きいホットケーキを2枚も平らげていた!

朗らかに、ゆったりすると胃の調子まで良くなってくるようです。

本当かどうかは、わかりませんが、のんびりすると胃腸の働きも良くなるようですね。

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水木しげると弱者に寛容な国

メキシコは、世界から多くの亡命者がやってきます。ソ連の大統領であったトロツキーはスターリンに迫害され最後に、メキシコへ逃亡し、フリーダ・カーロなどの芸術家の助けを得て、最後までメキシコで暮らします。また、アメリカの作家トマス・ビアスも多くのいわれなき迫害を受けて、安住の地を求めメキシコで姿を消しています。また、本書には出てきませんが、ある有名なアメリカ人ボクサーは、メキシコに逃亡し、タラウマラ族という走る民族に出会い、世界一偉大なレースを企画し世界中のランナーを虜にしている。その人は、”カバーヨブランコ”(白い馬)という愛称で世界中のランナーから注目をされています。

最後の避難所と言っては聞こえは良くないけれど、どうも、傷ついた者をやさしく迎え入れ、サポートしてあげるのがメキシコの国民性なのかもしれませんね。

本書のまとめ

いかがでしたでしょうか?死や霊など形のないものを芸術的に、しかし愛嬌たっぷりに表現するメキシコ人は、実は水木しげるさんの遠い親戚だったのかもしれません。

そういえば、水木しげるさんの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌に

「よる~は墓場で運動かい~。楽しいな~楽しいな~。おばけにゃがっこうも~」

という歌詞がありましたね。死者の日、朗らか、霊、など、メキシコと水木しげるさんにとても強い結びつきがあったと感じられる本でした。

本章で紹介されている、オアハカのウッドカービングや死者の日のグッズなどを
当店でも扱っているので、ご興味あれば覗いてみてください。
骸骨グッズ

ウッドカービング(アレブリヘ)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。感想などありましたらコメント頂けると嬉しいです。

それでは。

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